ピアノ万華鏡

シューベルト:即興曲作品90 D899

何度演奏しても、「もう一度弾きたい!」「今度はもう少し良く弾けるかも」と思う作品の一つ、
それを今回演奏させていただけることは、本当に有難いことだと思っています。
前回演奏した時の録音に「こんな演奏しか出来ないの~」と唖然としていましたが、そう思うということは、少し成長できたということ?と自分を励ましながら、ピアノに向かっています。

前日の今日でも、理想はなるか遠くにあるかんじですが、ステージでは聴いてくださっている方の存在にも助けられ、そして天国からシューベルトや秋山千賀子先生が力をくれ、奇跡が起こるかしれない、と勇気を持って臨もう、と気持ちを立て直しているところです。

<第1曲>「冬の旅」を思わせる孤独な1本のモティーフに始まります。まるでシューベルトの死が見えていた(彼の死の1年前に書かれた作品です。この年はベートーヴェンが亡くなった年でもあり、お葬式にも参列した彼は、ベートーヴェンの葬送ソナタを聞いたはず。葬送行進曲のリズムにも重なります。)、諦観し、さすらう歩調のようです。曲が進むにつれ、短調・長調と何度もさまようように変化し、重音になり、ハーモニーが付き壮大に展開していくのが聴きどころだと思います。同じモティーフが孤独、絶望、希望、天国的な救い、と表現されているのです。
途中「魔王」のような激しい音楽にも変化します。
全曲を通して現われるG音は、最後のソナタD960の終楽章のG音につながっているような気がするのです。
そして、最後にはC-Dur(ハ長調)の天国的な響きに到達します。

<第2曲>シューベルトは練習曲は書きませんでしたが、ショパンの練習曲(作品25-2)などの先駆的存在の曲とも言われています。きらきらと流れる美しいパッセージを楽しんでいただけたらと思います。

<第3曲>有名な美しい旋律は、天国的に思えます。祈りのうたのようでもあります。集中力の特に要する曲ですが、約6分間最後まで気持ちを途切れることなく美しい旋律を表現できたらと思います。右手で同時に弾いている伴奏型をうまく処理したいです!

<第4曲>これも高音のとても美しい曲ですが、パッセージの中に繰り返される連打があるので、難しいのですがきれいな流れで弾きたいです。
中間部の暗い絶望の旋律では、シューベルトの叫びが聞こえるような気がします。

最近見つけた本、“シューベルト演奏の手引き”ブロッホ/コラジオ共著(全音楽譜出版社)は
1曲目のたくさん出てくる付点の処理の仕方など、とても参考になりました。
そこに・・・「即興曲や楽興の時をコンサートで成功させるには、聴く人をその音楽の中に引き込む力のあるピアニストが必要です。それには、ベートーヴェンの作品を外に向かって弾くのとはまったく違ったスキルが必要なのです」・・・すごく大きなものに挑戦する気持ちです。
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